Premiere Proで広告宣伝動画を編集
1.プロジェクトの「ポストプロダクション」(編集)の段階
- 整理する:必要なときにすぐコンテンツが見つかるようする。
- 素材を確認する:コンテンツを確認。
- シーケンスを作成する:ストーリーのおおまかなドラフトを作成。
- タイミングを調整する:ストーリーの流れを細かく調整。
- ビジュアルエフェクトを加える:コンテンツにカラー調整などのエフェクトを加える。
- グラフィックを加える:ストーリーの重要な箇所をグラフィックで明示。
- サウンドトラックを作成する:オーディオのクリーンアップ、調整、ミキシングをおこなう。
- プロジェクトを出力する:完成したプロジェクトを複数の形式で全世界に公開する。
2.シーケンスの操作
タイムラインパネルを使ってビデオクリップをシーケンスに組み立てる。
最も重要なことは、伝えたいストーリーを視聴者が理解し、追えるかどうか。
また編集にはリズムがあり、流れにも注意を払う。
リズムをつかみ、編集に組み込むことができれば、視聴者もストーリーに引き込まれる。
3.編集でストーリーを伝える技術
- カラーを調整して、明るさを調整して雰囲気を加える。
- オーディオのクリーンアップとミキシング、エフェクトの追加で、サウンドトラックにインパクトを加える。
- ビデオの再生速度を変更して、ファストモーションやスローモーションを作成する。
- ビジュアルトランジションエフェクトを追加して、クリップ間を接続する。
長編映画の制作でも、製品レビューのプレゼンでも、ストーリーの伝え方がすべて。
4.ストーリーを伝える様々な方法
ビジュアルコミュニケーションを計画する際に、最も重要な確認事項のひとつがストーリーテリング(ストーリーの伝え方)。
映画制作、ライブプレゼンテーションでも、ノンリニア編集やモーショングラフィックスなどのテクニックを使用する場合でも、ストーリーテリングの原則は同じ。
①物語の構築
ストーリーは始まり、中間、終わりで構成される。必ずしも順序がこの通りとは限らない。
ストーリー制作の参考となる一般的な物語の構成と検討事項は以下の通り。
1.ヒーローが何かを必要としている、それは重要なものである
- ストーリーのヒーローは誰か?
- 何を求めているか、なぜそれが必要か?
- それが手に入らないとどうなるか?
※その危機感が高いほど視聴者は引き込まれる。
2.ヒーローが妨害にあう
- 妨害は何か?
- なぜそこにあるか?
- 克服できるか?
- できるならば、その方法は何か?
- できないならば、それはなぜか?それに対してヒーローは何をなすべきか?
3,妨害を克服する
- 妨害に対してどのように取り組むか?
- この計画はうまくいくか?
- どのように成功するか?
明確な物語のないプロジェクトに取り組む場合でも、ストーリー展開には主な段階があり、構成の確認に役立つ。
例えば、新製品のマーケティングビデオを作成する場合、視聴者を主人公と考えることができる。
物語の始まりでは、困難に直面する主人公は、新製品も、それがどのように役立つかも分からない。
そこから旅に出た主人公が新製品を見つけ、効き目を知り、それを使って問題を解決する。それがこの物語の中間と終わり。
②視聴者を引き込む
- 人間的な感情に訴えるストーリーにする。
会社の成り立ち、キャラクターの変身、自己発見の体験談などストーリーの出来事を動かすものに人間らしい感情を見つけることができれば、視聴者は間違いなく引き込まれる - 人間らしい感情を持つキャラクターが対応する。
会社の成り立ち、キャラクターの変身、自己発見の体験談などストーリーの出来事を動かすものに人間らしい感情を見つけることができれば、視聴者は間違いなく引き込まれる。
③明確に
視聴者が知っているものと見込んで話を進めるのは避ける。
視聴者は、話が飛躍して何が起こっているのか理解できない場合、気持ちが離れてしまうため、話をつなげる必要がある。
④情報を伝え、教え、楽しませる
語り手は、視聴者にストーリーを聞かせ、それを感じてもらうことが目的。
視聴者が何か新しいことを学び、理解を深め、またはプロジェクトに取り組んだり楽しんだりすることができれば、そこで過ごした時間に満足し、また戻ってくる。
5,サウンド
オーディオを調整には、エッセンシャルサウンドパネルを使う。
シンプルコントロールとインテリジェントな自動オプションを備えた、高速クリーンアップとミキシングツールが揃っている。
①オーディオのクリーンアップ
エッセンシャルサウンドパネルには強力な自動オーディオクリーンアップツールがあり、不要なバックグラウンドノイズやリバーブを除去できる。リバーブとは、タイル張りの壁など、硬い面の多い場所で録音するときに聞こえる短いエコー。
②クリエイティブな工夫
- バックグラウンドミュージックが適切なレベルで再生されることを確認
- 他のオーディオミックスと比較して適切なレベルであることを確認
- エッセンシャルサウンドパネルのオーディオクリップのレベルを設定する自動ラウドネス補正機能を使って、ワンクリックで音声がすべて同じ音量で聞えるようにできる。
- カメラに向ってプレゼンテーションをおこなうプロジェクトでBGMがある場合、オーディオの自動ダッキング機能を使用する。これは、音声が入ると自動的にBGMの音量を下げる機能。
- オーディオミックスに様々なエフェクトを試し、インパクトを加える。単純なエフェクトから、音声サウンドを改善するもの、エコーやコーラスなどのクリエイティブなエフェクトまで様々なものがある。
6.カラー補正でビジュアルをプロフェッショナルな外観に整える
①カラー補正
カラー補正とは、ビジュアルの色と明るさの調整を意味する広い用語。
シンプルにカラーの強度を高めるものから、繊細なムードの変化をショットの特定の領域に適用するものもある。
②Lumetriカラーパネルについて
Lumetriカラーパネルには、何種類ものカラー調整機能がある。
ショット間のカラーを一致させる自動カラー補正機能、クリエイティブカラーフィニッシングエフェクト用の詳細なコントロールがある。
③クリップカラーの自動調整
カラー補正で最初にすることは、すべてのビジュアルが同じ照明とカメラの設定で、同じ日に同時に撮影されたように見せること。
④ホワイトバランスの補正
不必要な色味がついたショットは視聴者にすぐ気づかれる。まず、画像を自然な色味に復元する。
Lumetriカラーパネルのコントロールを使用すれば、カラーバランスを自動的に修正できる。
⑤カラーバランスの異なるクリップでカラーマッチ
ショット間でシーンの色合いが変わると目につく。
複数カメラで撮影している場合、カラーを一致させるだけでもプロフェッショナルな仕上がりになる。
Lumetriカラーパネルのカラーマッチを使用すれば、各ショットのカラーが自動的に一致する。
⑥基本補正
ビジュアルにパンチを加えるには、色温度、色被り、露光量、コントラストのスライダーを高くする。
これらはすべてLumetriカラーパネルにある。
ソーシャルメディアで目立つようにインパクトを最大にするには、彩度または自然な彩度スライダーを高くする。
⑦映像素材にクリエイティブな外観を加える
カラー補正だけではなく、プロジェクトにユニークな外観と雰囲気を追加する。
- ワンクリックでLookプリセットを追加
Lookメニュー(Lumetriカラーパネルのクリエイティブセクション)にはいくつもの映画風外観が揃っている。
外観をプレビュー表示して、気に入ったものがあれば、クリックするだけでショットに適用できる。
普通の録画をパワフルな映画の一場面にできる。 - ビジュアルインパクトを高めるドラマチックなカラー調整
繊細なビジュアルだけではメッセージが伝わらないことがある。クリエイティブなカラーを試すことができる。
使い方にルールはなく、大切なのは一貫性を保つこと。インパクトのある変化をいくつかピックアップしてすべてのショットで試し、プロジェクト全体で機能することを確認。このような調整を加えることで、平板な映像が鮮やかなビジュアルエクスペリエンスに変わる。 - カラーとPremiere Pro
Premiere Proには、いくつものビジュアルエフェクトとカラー調整ツールがあり、自動で設定することも、手動で正確に微調整することもできる。 - カラー調整のセンスとテクニック
カラー調整にはアートと技術の両方が必要。コンテンツに適した外観を見つけるには、新しい方法を試してショットを再生し、満足のいく結果か判断するのが一番です。 - Lumetriカラーパネル
カラー調整をおこなう際に最初に開くのがLumetriカラーパネル。ウィンドウメニューのLumetriカラー、またはインターフェイスの一番上にあるワークスペースからカラーを選択する。
7.目を引くアニメーショングラフィックとタイトルで視聴者にダイレクトに伝える
可能な限り最短時間でコンテキスト、課題やソリューションを伝えるために、グラフィックで視聴者の理解を深め、意識を呼び起こすことができる。
- ローワーサード(テロップ)は話者の名前と役割紹介、場所、製品、イベントなどの名前の紹介にも使用されます。
- タイトルは、話者が伝える内容の具体的な詳細などに注意を向けるなどの役割がある。
- アニメーショングラフィックは視覚的な面白みを加え、視聴者を引き付けることができる。
①エッセンシャルグラフィックスパネル
エッセンシャルグラフィックスパネルは、総合的なグラフィック(タイトルを含む)作成ツールで、高度なアニメーションコントロールや複数のレイヤーを使用して、独自のオリジナルモーショングラフィックスを作成することもできる。
プロにより構築済みのモーショングラフィックステンプレートがあり、グラフィック、テキスト、プリセットアニメーションを組み込むことができる。テンプレートはそのまま使用することも、プロジェクトに合わせてカスタマイズすることもできる。
②フォントを見つける
グラフィックの作成や編集中に、エッセンシャルグラフィックスパネルからフォントを選択できる。
③社内標準グラフィックのライブラリを共有する
ライブラリはグラフィックなどの素材を保管して整理する場所で、ライブラリの素材は以後のプロジェクトで再利用できる。ライブラリは、Creative Cloudアカウントでログインすればどこでも自動的に同期し、チーム内でライブラリを共有することもできる。エッセンシャルグラフィックスパネルで、グラフィックライブラリを作成し、参照する。
④Premiere Proのタイトルとグラフィック
Premiere Proには、モーショングラフィックスを作成するための幅広いツールが揃っている。エッセンシャルグラフィックスパネルのテンプレートを応用することも、文字とシェイプツールを使用してオリジナルコンテンツを作成することもできる。高度なモーショングラフィックスを自分で作成するための早道は、まずテンプレートを試し、それに使用されている設定を調べること。
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